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新入社員企画RENOVATE OURSELVES

2020年三和ドック「内定者インタビュー企画」現場最前線

今もっとも注目なのが『SOxスクラバー』搭載工事 三和ドックといえば「リバースエンジニアリング」。その技術⼒を強みに世界中を航⾏する船を修繕・改造している。
中でも今もっとも注⽬なのが『SOxスクラバー』搭載⼯事。その最前線で活躍する先輩エンジニアさんに 私たち内定者2⼈がインタビューしました!

インタビューをするのはこの2人 答えてくれる先輩 重森 裕介さん 藤井 紀子さん 大村 哲朗さん

そもそも「SOxスクラバー」とは?なぜ搭載する必要があるのでしょう

国際条約により「SOxスクラバー」を搭載する需要が高まっています。

SOxスクラバーとは、船舶から排出される排気ガス中に含まれるSOx(硫黄酸化物)を除去する装置のことです。世界中の船から排出されるSOxの量を減らそうと、国際条約が見直され排出量の規制が今年から強化されました。ということでSOxスクラバーを搭載する需要が高まっていて、この工事を得意とする三和ドックの存在感は強まっているのです。

といった説明を受けて「2人のインタビュー」はスタート!

船の排気ガスってどんなものなんですか?それからSOxスクラバーはどういう原理で動いているんでしょう?

多くの船は重油などの燃料を燃やして動いていて、その燃料油に含まれている硫黄分が燃焼して酸化物になり排気ガスとして空気中に放出される。これが酸性雨や大気汚染を引き起こし、地球環境に悪いという話です。

それが問題視されて国際条約で規制されることになったということですね。

簡単にいうとそういうことです。
SOxスクラバーの仕組みは、排気ガス内の硫⻩酸化物を海⽔もしくはアルカリ性の⽔溶液を吹き付けて絡め取るというものです。

なるほど、意外にシンプルなんですね。

実際にはもうちょっと複雑なんだけど。我々の仕事は船に装置を組み込むことだから、細かい仕組みを理解する必要がある時にはメー カーさんとうまく連携してプロジェクトを進めるっていう感じかな。

わかりました。工事をする時の問題点や工夫するポイントなどはありますか?

SOxスクラバーは、なんと言ってもデカい!しかも、重い。一番問題なのは船の安定性が悪くなるということです。機関室など船底に近い場所であれば、そこまで意識する必要はないけど、SOxスクラバーは船体の上部にあたる煙突に組み込むので、船全体の安定性をきちんと考えなければならない工事の一つですね。

ちなみに絡めとった硫黄酸化物はどこに行くくのですか?

それはね、船内で濃縮してから廃棄物として陸上の処理施設で処分するか、そのまま海に排出するという方法もあります。

え!海に流すんですか?大丈夫なんですか?

海水自体が弱いアルカリ性なので、船から排出される程度の硫黄酸化物は吸収できると考えられています。

そういうことなんですね。それも何かしら公的な決まりがあるのですか?

そうです。例えば狭い湾などでは、硫黄酸化物の排出が制限されるところもある。この業界は国際的な条約や法律、公的な情報に沿った対応が必要になります。技術だけでなく、色んな情報をフォローしていくことが重要なのです。

工事だけでなく、業務内容が幅広いのですね。⼊社してから楽しみです。
どんな仕事をするのか。

そうだね!楽しみにしといて下さい。せっかくだから、ドック内を見てもらいながら色々と話をしようか。その方がイメージがわくでしょう。

ということで、二人は作業着に着替えてヘルメットを装着

SOxスクラバー搭載⼯事には、3Dレーザースキャナが欠かせないと聞きましたが、
それはどんなものなのでしょうか?

レーザー距離計を振り回して周囲の物体の形状をスキャンする機械なんだけど、大型設備を組み込む工事のときに、この機械を使って船内の現状を立体的に記録するんだね。これで効率的な設計ができるということ。

こんな機械です。

3Dレーザースキャナがない時はどうしていたんですか?

それまでは、船に大型の設備をつけるのは至難の技でした。最低限の測量だけを基に狭い船内に装置を組み込んだり、張り巡らされた配管を組み替えたりは、ほぼ熟練の技で解決していました。

図面がないっていうのが三和ドックと⼀般の造船会社と違うところと、
会社説明会でも聞きました!

そう、そこが職人の技。でも、取り付ける装置が大掛かりになればなるほど、経験と勘だけは、工事に大変な時間と手間が掛かってしまう。だから新技術で補う方法を模索しなければ、っていう気運が高くなった。

でもSOxスクラバーみたいな大型のものを取り付ける⼯事って昔からあったんですか?

いい質問だね。SOxスクラバーのように大掛かりで複雑な設備を搭載する状況はなかった。だから経験と勘でなんとかなっていたとも言えるね。転機になったのは2004年に採択された「バラスト水管理条約」。

バラスト⽔処理装置のことですね。これも大規模でニーズの⾼い⼯事と聞きました。

そう。これをきっかけに、3Dレーザースキャナ活用の道が開けたと言ってもいいでしょう。実際に条約が発行されたのは2017年だけど、それよりずっと以前からBWMS(バラスト水処理装置)の搭載ニーズが高まるぞと予測して、社内で3Dレーザースキャナを使った施工技術の研究が始まりました。

その技術がSOxスクラバーの⼯事にも繋がってるんですね。

そういうことだね。船内の入り組んだ構造をスキャンして、そのデータをもとに図面が書ける。だから、どんな装置を搭載するにしても、この施工技術は応用が効くということだねよ。

では3Dレーザースキャナの機械さえあれば、改造⼯事は楽にできる ということなんでしょうか?

それが、そんな簡単な話じゃないんですよ。設計に必要なポイントを押さえた点群データを取得し、実用レベルで使いこなすにはかなりの技術が必要で、このノウハウが三和ドックの財産と言ってもいいでしょう。

なるほど。昨⽇今⽇やって真似できるような技術じゃないということなんですね。会社としても⼤きな強みだということがよくわかりました。

この施工技術が確立したことで、工事にかかる工数も大幅に削減されたしこれまで以上に幅広い仕事に挑戦できるようになったよ。ぜひ将来を担う二人にも、新しい視点でテクノロジーの活用を模索してみて欲しい。

そのあとも⼆⼈は三和ドックの仕事内容を幅広く理解したのでした。

「インタビュー」を終えて

船の修繕技術についての疑問が解決できた。

改造設計図や実際に改造した船を見せて頂き、最先端技術について説明して頂いたおかげで、船の修繕技術について疑問に思っていたことの解決ができました。この経験を入社後の職務に活かしていきたいと思います。

早く説明する側になれるよう仕事を覚えたい。

なぜ、SOxスクラバーを搭載する必要があるのか、バラスト水はなぜ二度も殺菌されるのか、気になることが理解できました。自分も早く説明する側になれるよう仕事を覚えていきたいと思います。